たんぽぽ 83号
ごきげんいかがですか
理事長 四方田 尚美
ワーカーズ・コレクティブ笑顔は今年度設立30周年を迎えました。
長い間 笑顔を支えて下さった皆様のおかげです。 30年間に出会った一人ひとりに感謝の気持ちを伝えたいと思います。 本当にありがとうございます。
「節目の年」とはいえ、活動はいつもの通り、毎日ばたばたと過ぎてゆきます。今年は長くて暑い夏でした。新型コロナウイルス感染症の第7波の影響はすさまじく、ようやく乗り越えたと思いきや、第8波が…。
日々感じる秋の深まりにふと立ち止まり、今までのこと、これからのこと、『笑顔』の活動についてしみじみと考えてみるには良い季節となりました。
市民活動として在宅福祉をテーマに、ここ平塚で誕生した『笑顔』です。自分たちが年を摂った時に、受けたいと思う支援を目指してきました。
2000年に介護保険制度が始まり、『笑顔』もそれに参入。 それまでの、はる風利用者さんの支援を継続したいという思いであったと聞いています。 振り返ってみれば、それは大きな出来事でした。 それからも障がい者支援制度も含めて公的な制度は次々と改正され、事業所としてそれについていくのが精いっぱいの20数年でもありました。 一時は100名を超える会員を抱えていた『笑顔』ですが、事業別の独立などを経て現在は会員42名がこつこつと活動しています。
新規会員の不在、会員の高齢化、役割の交代困難など、ワーカーズ・コレクティブ事業所ならどこも抱えている問題には私たちも悩まされ続けています。なかなか難しいなぁ、と思う日々です。
ところで「遊びをせんとや うまれけむ」 という言葉をお聞きになった事はないでしょうか。
子供の頃どんな遊びをしていましたか。無心に泥団子をこねておままごと、おにごっこ、トランプとかゲームとかも。
「遊び学」によると先の分からない事、不確実な事を楽しむのが遊びだそう。
閉塞感、不安感が広がっているように見える現代日本社会。 これからは、おとなだからこそ遊びの精神、柔軟な心構えを持つことが、大事になりそうです。
物事を多面的に見たり、考えたりすること。結果がどう転ぶか分からない不安定さを楽しむこと。失敗を通して得られる経験や発想の転換を生かすこと、等々。こう考えてみると笑顔の抱えている問題こそ、遊びの宝庫に見えてきます。
肩の力を抜いて、深呼吸して、頭と心を柔らかくしてみましょう。「活動を楽しむ」ことをテーマに、少し先の未来を見つめたい、笑顔30周年目の秋です。